Deep Library Projectのブログ

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dlibフォーラム2017 vol.1を開催しました

2017年7月10日(月)機械振興会館にて、dlib初めてのフォーラムを開催しました。

告知が遅かったにも関わらず、専門図書館、公共図書館、大学図書館、博物館/美術館、一般参加と、40名を超す様々な方が集まってくださいました。

フォーラム前半は、3人の講師の方から15分ほどづつ提議がありました。

1.福島幸弘氏(京都府立図書館)

デジタルアーカイブや書誌の統合などを手がけてきた福島氏は、かねてよりISBNのない書誌について、横断検索時の書誌割れについて言及されてきました。今後更に情報の共有化が進んでいく中で、デジタルコンテンツの作成や収集に対し、長期アクセスを保証するために、できることを幾つか提言しました。

・クリエイティブコモンズライセンスなどの利用規約の明示

・個別の資料・作品の情報を判別・識別できる重複しない管理番号を付与する。

・特定のシステムメディアに依存しないデータ形式とし、データの移行性を確保するetc

 2.新出氏(白河市立図書館)

公立図書館中でも地域資料については、実は専門図書館と同じ機能や役目を持っていて、その収集や組織化や公開の課題など、運営体制も含めて千差万別です。
とはいえ専門図書館と比べ、公共図書館は敷居の低さが強みであり、その強みを生かして、専門図書館への入り口となっているかと問いかけがありました。
「専門情報機関総覧」を使っている公共図書館がどれほどあるか?
資料を探す際に、今は、国会図書館のNDLサーチ、CiNiiBooksにないものは、「ない」とするケースが多く、dlibによる発見につながればと期待の話がありました。

3.吉本龍司(カーリル)
dlib誕生の話から現在80館近くの専門図書館が横断検索でつながっていて、最終的には、カーリルはすべての図書館をつなぎたいと考えていると話しました。

後半は参加者も交えてパネルディスカション。
専門図書館は特に人のつながりに頼っているところが多く、dlibにその間口を広げる役目を期待されているのを感じました。
博物館と専門図書館は似ているところがあるのに、図書館の場合は、そこにしかなくても出典を明らかにしていない」との指摘があり、面白く拝聴しました。参加者に博物館の方がいたからこその視点でした。
現在JAPANサーチという博物館、美術館、図書館などの日本の文化資源を一斉に検索しようというプロジェクトが立ち上がっているそうです。でも、なぜか専門図書館のことが抜けていたとフォーラムの場で発覚しました。元々は各機能ごとに中間サーバを介する設計の様で、dlibが専門図書館の仲介になればよいのではとの意見も出ました。
「個別の情報ではなく、こんなところが強いという集合群検索があればよい」との意見には、専門図書館のプロフィールの公開を実現すれば可能になることで、早くに実現できればと改めて思いました。

最後は、都道府県立図書館での市町村図書館研修でdlib紹介や、学校教育のリテラシー教育まで発展し、結論が出たわけではないけれど、活発な意見交換ができました。

みなさまの参加、ありがとうございました。
今後ともdlibを一緒に育ててくださるようお願いします。

    (文責・高野)